第44回「日本肝臓学会」総会が、2008年6月5日~6日に愛媛県松山市で開催された。
C型慢性肝炎のインターフェロン治療などに多くの演目がさかれる中、C型肝炎ウイルスを抑制する食品物質の発表に注目が集まった。
中でも群馬大学医学部大学院病態制御内科学の「SteviosideのC型肝炎に対する新規抗ウィルス薬としての可能性」という発表が目を引いた。(同じ内容が2008年5月のDDW2008(米国消化器病週間)の中の米国肝臓学会部門でも発表済み)
Steviosideは甘味料成分だが、実験をしたのは「ステビア濃縮液」とのことなので、確認をしたところ、いわゆる「ステビア・エキス」を使って実験をしたとのことであった。
ポイントを抄録から整理すると、
① ステビア・エキスは、C型肝炎ウイルス複製を濃度依存性に抑制した。
② そのメカニズムとして細胞内インターフェロン・シグナルの誘導が示唆された。
③ ステビア・エキスはIFNの抗ウイルス効果に対し、相加効果を示した。
④ ステビア・エキスは効果的な抗ウイルス薬になりうると示唆される。
ということである。
メカニズムの部分であるが、
ステビア・エキスは「細胞毒性を認めない」=ウイルスも殺すが細胞も殺すというような毒物ではない
IRSE活性、2-5AS活性を上昇させたが、NFκB活性は上昇させない。=肝炎を起こさせず、C型肝炎ウイルスだけを退治できる?可能性
ステビア・エキス常用患者において副作用はほとんど認められない
従って「安全で効果的な抗ウイルス薬になりうると示唆される」という結論を導きだしていたのだ。
今回の日本肝臓学会では、「C型肝炎ウイルスを抑制する」と同様に発表された食品物質の中には、細胞毒性が示唆されるものもあり、「ステビア・エキスが特に注目に値する食品物質である」ことは間違いない。