コーヒーの愛飲者は肝臓がんのリスクが半減する――。米国のがん専門誌JNCI16日号に、日本の国立がんセンターの研究チームによる大規模調査の結果が掲載された。飲む量が多いほど効果があるという。
研究チームは、9万人を超える男女を10年間にわたって追跡した。計334人が肝細胞がんと診断され、コーヒーを飲む習慣と肝細胞がんになるリスクの関係を統計的に分析した。
その結果、日常的にコーヒーを飲む人が肝臓がんになる率は10万人当たり約214人で、ほとんど飲まない人の場合は約547人だった。1日に1〜2杯の人よりも、3〜4杯の人の方がリスクが減っていたという。
コーヒーが肝細胞がんを予防する詳しい仕組みは不明だが、抗酸化作用のある成分がコーヒーに大量に含まれるおかげではないかと見られる。
ただ、同号に掲載された米国チームによる別の研究では、コーヒーや紅茶で大腸がんや直腸がんを予防する効果は確認されなかったという。
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コーヒーが肝臓がんにかかるリスクを下げる可能性は、東北大の研究などでも示されている。だが、これまでのデータだけでは、肝臓に障害があるとコーヒーを飲めなくなって、結果的に飲んでいる人が肝臓がんにかかりにくく見えるといった可能性も否定できない。
国立がんセンターによると、日本の肝臓がんの9割は肝炎ウイルス感染によるもので、予防で最も大切なのはウイルスに感染しないこと、感染が判明したら早い段階で治療を受け、病気の進行を遅くすることだ。今回の研究チームは「ウイルスに感染している人たちの中でコーヒーに予防効果があるかを検証したい」という。
朝日新聞 2月16日
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これまでの定説はコーヒーは1日2杯程度でしたので、画期的な研究結果だと思いますが十分な検証が必要だと思います。